歌、ディーゼル、鳥、北海道9日間#10

8日目 6月14日(土) 天売-羽幌ー留萌ー滝川ー富良野

 窓のすぐ外で風が荒れ狂っている。朝4時30分、早朝に目が覚めるのが定着化したようだ。午前中の船が欠航すれば、富良野のライブには間に合わない。

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風にあおられながら飛び立つオオセグロカモメ

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歌、ディーゼル、鳥、北海道9日間#9

7日目 6月13日(金) 豊富ー羽幌ー天売 後編

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天売行の切符

 以前、人から「鳥があきれるほど間近に降ってくる島」の話を聞いた。ウトウというまっ黒い鳥が、決まった季節の夜、空を埋め尽くすほどに現れるのだという。その鳥は着地が恐ろしく下手で、空から地面目がけて落ちるように降ってくる。だから、それを見に行くツアーでは、人間はヘルメットをかぶって、頭にウトウがぶつかった時に備えるのだ……と。

 その話が妙に忘れられなかった。いつか天売へウトウを見に行こう、と決めていた。それが今日だ。

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歌、ディーゼル、鳥、北海道9日間#7

6日目 6月12日(木) 豊富-稚内-豊富

 4時30分に目が覚める。今日も3時間半ほどしか眠っていない。外は強い雨、重たい空。鳥見に行く気力が起きない。まだ昨夜の音の欠片が耳の中に残っている。

 昨晩の句会の結果がメールで届いていた。昨日、選句のときにもらった全50句に句の作者、点数、点を入れた人の名前が追記してある。私の提出した5句は4点の句、3点の句、1点の句、0点の句が2つ、となっていた。点を競うものではないけれど、やはり点が入るのは嬉しい。私の作を読んで、考えてくれた証なのだ。嬉しくないはずがない。

 

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「お風呂はいつでも沸いてるわよ!」とおばちゃんが言うので、朝風呂にしようとしたら見事に水だった。

 

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9/6「句会と想像と言葉と」

 ゲーム+句会イベント「句会と想像と言葉と」に参加してきた。

 主催は、句会でお世話になっている俳人佐藤文香さんと、東京マッハなどのイベントでお見かけするたび「萌える……」と呟かずにはいられないゲーム作家の米光一成さんのお二人。

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歌、ディーゼル、鳥、北海道9日間#6

5日目 6月11日(水) 留萌-豊富 後編

 zabadakのライブでよくお見かけするCさんという方がいる。ゆるやかなご縁があって会えば挨拶くらいはする間柄なのだが、北海道ツアー初日の終演後、Cさんに声をかけられた。豊富に行けない自分の代わりに豊富の写真を撮ってほしい、吉良さんたちがどんな町で歌ったのか知りたい、と。

 

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豊富駅を降りたところ

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歌、ディーゼル、鳥、北海道9日間#5

5日目 6月11日(水) 留萌-豊富 前編

 目が覚めたら3時30分、間もなく日の出だ。空はすでに明るい。いつ眠ったかも覚えていない。部屋は荒れ放題だ。

 まずは洗濯を決意する。廊下のどん詰まりのコインランドリー。旅行用の小分け洗剤はやけにビニールが分厚い。封が切れない。糸切り歯で噛み切る。洗剤としかいいようのない味が口中に残る。

 洗濯物を乾燥機に入れたところで外へ出る。飲み屋街と住宅街の入り混じったあたりを歩くと、数羽のハシブトガラスが鳴き交わしながら後をつけてくる。警戒されている。この辺りでは、早朝に歩く人間はあまりいないのだろう。

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