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歌、ディーゼル、鳥、北海道9日間#1

 どこから書こう、何を語ろう。

 6月7日から6月15日にかけて巡った北海道のことを振り返ります。

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 旅行の数日前からいつも緊張で眠れなくなる。服が足りなくなったら、天気はどうなるだろう、チェックアウトまでにパッキングが間に合わなかったら、カメラのSDカードが足りなくなったら、体力はもつだろうか、起きられるだろうか。旅程が長ければ長いほど不安は高まる。何度、旅行を経験しても出かける日の朝は真っ青な顔をしている。本当は旅行が嫌いなんじゃなかろうかとさえ、玄関を出るまでは思っている。

  その不安を乗り越えてでも行きたい旅があった。平たく言ってしまえばバンドの追っかけ! バンドというか、ユニットというか。日によって少しずつ変わっていくメンバー。その歌と響きと重なりを追って、鉄道とバスを乗り継いでいく。そんな北海道9日間の話です。

 

1日目 6月7日(土) 東京ー羽田空港新千歳空港ー札幌

 東京は雨。羽田空港も雨。空港に来ると自然と万世のかつサンドを買ってしまう。あまりお腹は減っていない。条件反射のような気がする。

 

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 エアドゥの紙コップは最高にかわいい。 

 

 北海道に来るのは通算10回目。新千歳-札幌間あたりはまだ旅行スイッチが入らない。初めて北海道に来た時は南千歳あたりですでに「白樺が生えてる!」「屋根がヘの字!」「ロードヒーティングだっ!」と大興奮だったけど、今はぼんやりしている。緊張もしている。

 

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 宿の近くのバー。この外観で「蕎麦打ち始めました」の黒板。

 

 札幌に着き、中島公園近くのゲストハウスに荷物を放り込んで、西28丁目駅そばのライブダイニング「JAMUSICA」へ。この日の構成はzabadakのボーカル、ギタリストの吉良知彦さん(以下、吉良さんと表記)、アイリッシュハープ弾きの木村林太郎さん(以下、林太郎さんと表記)のお二方。二人合わせて「きら☆りん」 ☆を入れるのが正式表記。お二人は前日車で東京を出発して仙台からフェリーに乗り、今朝方、苫小牧に着いたとのこと。

 吉良さんのzabadak、というバンド(3人の頃、2人の頃、1人の頃を経て、また2人になったのでバンドと呼んでよいだろう)と、私の付き合いは20年は越えただろうか。人生の半分以上聴いていてもアルバムやライブのたびに驚かされる。ロックで、アコースティックで、プログレで、メロディアスで、さまざまな民族音楽のテイストやいろんな音楽のかけら(たとえばビートルズサイモン&ガーファンクル)を持っているけれど、やっぱりどれでもない。すべてが吉良さんの中で混じり合っている。

 林太郎さんは、zabadakのライブで知ったリリカルなアイリッシュハープ弾きで、スコットランドアイルランドやら、いろんな国のトラッドを弾き歌い、マイナー調の楽曲をこよなく愛している。そして何より熱心なzabadak、吉良さんのファンでもあらせられる。

  北海道ツアー第一夜は、まず林太郎さんソロの部、吉良さんのソロの部、そして「きら☆りん」のデュオと続く。このお二人で北海道ツアーをやるようになって今年で10年目とのこと、ツアー幕開けの手探り感と親しんだ会場ならでの伸びやかさとが入り混じって調和している。あまりライブでやらない「雨の行方」という歌や、「遠い国の友達」という古い歌の二人のコーラスがしみじみと胸を打つ。旅の緊張が少しずつほぐれて、今、この場所にいられる嬉しさに変わっていく。この声の重なりを聴けて良かった。明日はどんな歌が待っているのだろう。

 

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 札幌市営地下鉄の案内板のフォントは何度見ても感銘を受ける。

 

 ゲストハウスに帰ったら、酔っ払いのお兄ちゃんたちがだべっていたので混ぜてもらう。終演後のさみしさが少し紛れる。ついでにビール貰う。いい人たちである。